涙の手術

こんな症状でお困りではないですか?

  • いつも涙っぽい
  • 涙があふれてくる
  • 目ヤニが多い
  • 涙で目の周りの皮膚がただれる、荒れる、腫れる

涙道閉塞について

涙道閉塞について

涙腺(るいせん)で作られた涙は、涙点(るいてん)から吸収され、涙小管(るいしょうかん)、涙嚢(るいのう)、鼻涙管(びるいかん)を通って鼻の奥に流れていきます。
この涙の排出経路を涙道(るいどう)といいます。
涙道のどこかに閉塞(へいそく)や狭窄(きょうさく)があると、流涙症になったり、メヤニが多くなり涙嚢炎(るいのうえん)等の感染症を引き起こしたりします。

手術の必要性について

流涙やメヤニは、涙道を開通させないと慢性的に続きます。
また、涙嚢炎は急性に悪化すると、強い痛みや腫れをおこすため、この予防にも治療が必要です。

内視鏡的涙道再建術とは

内視鏡で閉塞部位を確認し、涙の排水路を開放、確保するために行う手術です。

手術の方法

  • ①涙道内や目頭周辺、鼻の内部に局所麻酔。 

  • ②涙道内視鏡で涙道内部を観察、閉塞部位を確認。

  • ③鼻内視鏡で鼻側の涙道の出口を確認。

  • ④涙道内視鏡で確認しながら閉塞部位を開放。

  • ⑤涙点よりカテーテル(シリコンのチューブ状の管)を挿入し、閉塞・狭窄部分を拡張して終了。

    局所麻酔で、手術時間は約30分です。

    涙点

合併症について

  • 目頭の麻酔により、まぶたの腫れや皮下出血など。
  • 鼻出血。
  • 涙道とその周囲の感染症など。

成績と予後について

涙道が閉塞して早期であれば、内視鏡による治療で治る可能性が高くなります。
涙道がつまって長い年数が経過している場合や、涙道が元来非常に細かったり、湾曲が強い場合などは、内視鏡を使った方法では最後まで治療が難しいことがあります。今回の治療で涙道閉塞がなくなり、症状が改善される方は全体の8割くらいということをご了承下さい。

また、一度この手術で良くなっても再閉塞することもあります。際閉塞の場合は、再手術で何回かカテーテルを入れなおす治療をすることで、完治する確立が高くなります。

この内視鏡治療で治療が困難な場合、涙嚢と鼻腔を直接つなげる涙嚢鼻腔吻合術の適応となり、ご希望の患者様には紹介をさせて頂きます。

成績と予後について

手術の当日は洗顔・入浴はできません。運動や飲酒、車の運転は1週間避けて下さい。
術後2週間はカテーテル挿入口からのばい菌感染を防ぐため、温泉・サウナ・プールは避けて下さい。
以降はカテーテルを引っ張ることと、鼻を強くかむことを避けて頂ければ、日常生活に特別な制限はありません。

手術翌日の診察の後は、2週間ごとに洗浄のために通院して頂きます。
カテーテルは約2ヶ月後に抜去しますが、以降も定期的な涙道の洗浄が必要となります。

 

ご注意※
血液をサラサラにするお薬を飲んでいる方は、内科医師と相談し休薬をする必要があります。

バイアスピリン・バファリン・パナルジン・プラビックス・プレタール・アンプラーグ・エパデール・ワーファリン・プラザキサ・イグレルト・エリキュース・リクシアナ・エドキサバン など

手術費用について

手術中に確認された閉塞部の場所によって以下のどちらかの術式となります。

  1割負担 2割負担 3割負担
涙管シリコンチューブ挿入 約10,000円 約18,000円 約28,000円
涙点・涙小管形成 約2,000円 約4,000円 約6,000円

手術費用は、当日お帰りの際に受付にてご清算下さい。