「抗がん剤(TS-1)による涙目

抗がん剤(TS-1)による目への影響

(同効後発品:エスワンタイホー・エスエーワン・エヌケーエスワン・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)

抗がん剤(TS-1)

抗がん剤は原疾患である癌を治療するにはなくてはならないお薬ですが、お薬である以上、一定の割合で副作用も免れません。
眼科領域では、特に内服抗がん剤TS-1(ティーエスワン)を服用すると薬剤成分が涙にも溶け出て、角膜障害を起こしたり涙道障害を起こすことが知られています。TS-1による流涙症の発生率は3~6人に1人とも言われています。

治療

治療法は、①人口涙液(ソフトサンティア)を頻回に点眼し、抗がん剤の成分を洗い流す治療。②涙道が閉塞しないように、涙管チューブを挿入する治療となります。数か月に1度通水検査に通っていただきます。
一般的に内服抗がん剤TS-1の服薬を中止すると角膜障害は改善傾向がみられると言われておりますが、涙道障害は、急速に悪化することがあります。 当院では内服抗がん剤TS-1による流涙症には早い段階で涙管チューブを挿入する治療を行っております。
TS-1内服開始後の流涙・涙目は早めに当院へ受診、ご相談ください。